これから何回かにわたって、「健康と病気」というテーマで、エッセイを連載します。
その第一回として健康をテーマに取り上げます。
最近は皆が健康志向で、テレビでも健康を保つための情報番組が大はやりです。確かに人間にとって健康は非常に大切なものには違いはないのですが、ここでちょっと天の邪鬼に「健康とは何か」、即ち健康の定義をもう一度考えてみませんか。すぐ思い
つくのが、病気でないことという定義です。
でも、現在は医学の進歩により、高血圧 や糖尿病などの生活習慣病は、治療により、上手にコントロールすることが可能です。そういう病気がうまくコントロールされている人は健康ではないのでしょうか?
病院でいろいろ検査をして、その結果が正常ならば健康とするという定義も可能でしょ う。しかし、身体の検査をしても、臓器に異常はないと言われるけれど、精神的な問題で、まったく活気が出ない人は、果たして健康なのでしょうか?
こうやって考えていくと、すべての人に当てはまる健康の定義というのはひょっとし たら無いのかも知れません。むしろ、各人それぞれに、それぞれの健康があると考えたほうがいいのでしょう。
ですから、押しつけがましいテレビの某健康番組の司会者の意見に惑わされることなく、まず自分の現在の状態をじっくり観察し、これからど
れくらいのエネルギーを使って何をしたいかなども考えて、自らの健康を定義していくという態度が一番いいように思われます。
この相談に乗ってくれるプロがあなたの「かかりつけ医」です。
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